2006年03月03日

アンティークフェアの季節が近付いて参りました

確か8日から。
お気に入りのショップさん、エンジェルコレクションさんがすさまじいホワイトワークのハンカチを仕入れられたとのことなので、初日に逝って拝ませて頂きたい気持ちでいっぱいなのですが、うっかり手を出してしまったら懐的にヤヴァイので、どのタイミングで逝くかボミョーに悩んでます。
ああでもチラッと公開されてたホワイトワーク素晴らしすぎる…。やっぱものすごく拝みたい…。
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買い付け日記も今回も凄く大変そうながら充実していて、毎度読む度にアンティークディーラーという職業に憧れを抱いてしまうのでした。だって頼るものは知識と経験と自分の嗅覚と体力のみで山のような出品物から価値あるものを選び抜き(すごい素早くないといけないらしい)仕入れをする時、そんで商品が然るべき人の手に渡る時、それが一番スリリングで充実した瞬間じゃないんだろうか、とか思ってしまうのですよ。いやだって、自分でコレクションしたものの「微妙に何か間違えたなあ」と感じたものとかを時々オク出ししたりしてみるのですが、落札してくれた相手が凄く満足してくれると、「やっとぴったりの相手のところに行けたんだね」って嬉しくてたまらなくなるもん。橋渡し役ができた喜びというか。ま、現実的にはそんなお店屋さんごっこ気分だけじゃやっていける筈もなく、それで生計を立てなきゃいかんわけで、ジョブチェンジするには余りに知識も資本も体力も何も無いので、時たま一瞬思う憧れに過ぎないのですが。
(いや自分がコレクションに対して相応しいかはよくわかんないし、相応しい人間でありたいと思ってるんだけど、ショップさんや展示即売会のブースでうろついてて、どう考えても似合わないものを値段で買ってく人とか見てると、他人事ながらジリジリするし笑、人様がいい巡り合いな感じで購入を決めてる瞬間とかを見るとすごく幸せな気持ちになるし)

ちなみにコレクションて、私は実用派なので、実用できない物はなるべく手にしないことに決めてるんですが、それ以外にもひとりで眺めてはウトーリする、という楽しみもあります。
ホワイトワークなんかの場合だと、布の分量が半端じゃないので大変ではあるんですが、お手入れの楽しみなんかもあります。アイロンとかかけながら、やっぱこの細工はすげえや、と、ウトーリするわけです。

ちなみに今回仕事が終わった自分への褒美は、よく遊びに行っているアンティークジュエラーさんのところから購入のランドスケープアゲートのブローチで、石そのものの風合いを楽しむ感じの作品でした。お求め安い価格であまりに今の私が欲している風景だったので。フェアが近いことも忘れてたし、凄まじいホワイトワークがやってくることも知らなかったし(ま、ハンカチだからとても使えないから本来購入対象から外れるんだけど、ホワイトワークって私のアンティークはまりの原点だから侮れないというか、実物を見た時の自分の反応がわからないので笑)。

ランドスケープアゲートって、自然の何かの間違いでできた、苔のような微細な模様入りのアゲートなんですが、中でも稀に風景画そのものに見えるやつがあるんですよ。それのことです。希少だそうです。
ていうより、そのアゲートの風景が別のものだったら、いくら希少でも心惹かれなかったと思います。たまたまその石がその風景だったから、手許に置きたかった。
半透明な乳白色の石の中に、海の底のような景色が形作られているのですよ。んで、左上あたりから(まあその石の地の色なんですが)かすかだけど確かに光が差し込んで着ているように見える。

君の声は僕にとって深い深い海の光

私の中で今いちばんクリティカルヒットなやさい(浅井健一)さんの歌詞です。「フクロウ」。やさい独特のかすれたような声が、ファルセットで哀切に静かに歌う。激しくないぶん、その歌声は切実で、内省的で、深い絶望の中から歌っているように聞こえる。全体の歌詞を読むとラブソングではあるんだけど、やさいの歌詞の場合、それが生々しい恋愛感情ではなく、もっと抽象的な感情であるように聞こえるんですよ。私だけかもしれないけど。「君」って別に恋愛の対象でも大切な友人などの存在でもどっちでも構わない。ただ、大切な他者。
ちなみにこの「フクロウ」は、ある他者に傍にいてほしい切実な感情を歌ってるけど、それをその他者に押し付けようとする歌じゃない。森に(あるいは深い深い海の中に)拡がり、飲み込まれていく人々の想いをただじっと見ているフクロウの存在があるだけ。
だから上記の歌詞も、そうして海の底にゆっくりと落ちていく想いなんだろうと。
それをいつか照らしてくれる「君の声」が光となって届くまで、じっと横たわっている想い。

私が出合ったランドスケープアゲートの景色は、そんな言葉が眠っているだろう深い深い海の底でした。しかもそんなふうに思ってたら、オーナーさんが「海の底みたいな風景ですよねー」とおっさったので、購入決定と相成りました笑。それは単に彼のオーナーさんとしての商売の才覚なのかもしれないけど、そんなふうに時々、そのお店の主力商品から外れた作品で、すごくぴったり印象が合う時があります。だからそのお店が気に入ってよく通ってるんだろうと思う。
ちなみに、乳白色の中に儚くたゆたってる、一種水墨画のような風景の石なので、強い色の服に付けてもわりと無意味な作品なんですよこのブローチ。レース襟を留めるのに使ってみたらいい感じだったけど、でもこのブローチの使い道で一番素晴らしいのは、身につけるよりも光にかざしてその風景を眺める時だったりします。
なんていうか、すごく穏やかなたゆたいを感じられる。
アンティークも確かにお金と引き替えに手に入れるものなのだけど、所有する楽しみって、こういう心に潤いを与えてくれたり心を揺さぶってくれたりする、世界の欠片を所有する楽しみなんだろうな、と思ったりするのでした。


最初のあたりで書いた、ディーラー業に憧れる気持ちも、半分は自分自身のため、半分は必用としている人との橋渡しのために、自分自身の力でそういう世界の欠片を見つけだしたいっていう気持ちなんだろうなー、と自己分析しています。そしてそれは確かに、信頼できるオーナーさんが皆さんおっしゃる初心なんだけど、でも初心に過ぎないから職業にするのは無理だ、と(笑)。
posted by deco at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アンティーク関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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