2006年07月21日

私の期待を返せ!笑◆映画『僕はこわくない』

昨日BSでやってたんで、今文芸作品系観るのしんどいかなーと思いつつ、結局観たのでした。
なぜならCMで「少年が秘密を持つことで一つ大人になる話」言うてて、どうやらその秘密というのが、地下牢みたいなところに幽閉されてる同い年くらいの少年で、キャッチコピーが「僕が絶対きみを守る」だったからでした(しかも大変リリカル風味で)。

こりゃきっと少年どうしの友情と秘密の共有と、そんで二人で危機に立ち向かう話なのかな、とか思うじゃないですか。

少年どうしの友情大好きな私としては、当然のように期待するじゃないですか。「君は天使?それとも人間?」とか言ってるし。笑。

粗筋は書いていいのか悪いのかわかりませんが、
(これからDVDとか借りて観たい人は以下を読まない選択肢があります).
.
凡その内容は、イタリアのとある小さな村(おそらくギリシャ移民在住)での小さな事件の話で、主人公は、村のガキ集団と村外れの廃屋で遊んでいて、そこに掘られた穴に同い年くらいの少年が幽閉されているのを発見。
その頃、「父親の友人」と称する変なオヤジが家に居着くようになったり、母親はじめ、村人たちが得体の知れない行動を取ったりし始める。
最初は同じ人間とは思えない薄汚い少年の奇怪な行動にビビって逃げたりする主人公だったが、どうやら「父親の友人」主導で村人全員が関わった、身代金目的誘拐事件が村では起きていて、幽閉されていた子こそその拉致られた子だと気が付く。
拉致った子の耳を切って送りつけようだの、殺してしまおうだのという相談を聞いた主人公は、ようやく決意を固めて、少年の脱出劇を試みるのだが…。


てな内容。


そんで何が期待外れだったっていうと。
当初、主人公が奇怪な生物にしか見えない被害者少年にびびったり、心を開かず食い物だけ要求する少年に苛立ったりするのは、まあいいよ。
でも、ようやく少年が心を開き始め、二人で周辺の麦畑に散歩に出るエピソードがあるですよ。それなりに美しく撮られてはいるのですが。
まだ親を裏切ってまで少年を逃がそうと踏み切れず、「そろそろ帰らなきゃ」とかいって気まずく別れたりするのも、まあリアルな心の動きかとは思うですよ。
最後の最後でようやく被害者少年が本当に主人公に心を開いて、二人の手が触れるところで終了、警察の介入もちょうど入って危機も終了、ってラストは、リアルなんだか出来杉なんだかわかんない。


結局最後まで観た印象としては、この映画は少年の目を通したリアルな犯罪劇じゃなく、むしろ『レオン』とかのファンタジーに近いと思いました。
だから、主人公は被害者少年を連れて、とにかく逃避行をしなきゃいけない類いの映画じゃないか、と思ったのです。
描かれるべきは、村の少年たちとの駆け引きだのすれ違う主人公と被害者少年の心情だのではなく、心が通いあう瞬間と、少年時代じゃないとできないだろう無茶でがむしゃらな逃避行じゃなかろうか。
それなら、逃避行が成功しようと失敗しようと、「そんな事件を通じて少年はひとつ大人になった」つう命題もクリアできるだろうし、何よりも。

それじゃないと、「僕が絶対きみを守る」ってキャッチコピーに値しないと思ったわけです。


正直大変損をした気分になりました。
キャッチコピーの台詞が吐けるような、そんな腹の座った子じゃなかったじゃん。主人公。


私の期待と少年ものへの幻想を返せ−笑。
posted by deco at 05:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 書評とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おおお、その映画、公開前になんかの雑誌で紹介されてて
み、見たい!!って思ってたのですよ。理由はだいたいでこくーるさんと同じです笑。

という訳でネタバレこわいので奥様のレヴューは読んでません。うおお。どうだったのどうだったの。借りてきて見てから、また読みに来ます。(*´д`*)
Posted by 福澤あゆみ at 2006年07月22日 00:08
観たらどうだったか教えてくださいネ★


あああもうちょっと色々盛り上げ方があるだろうがよ!少年もの好きの心を手玉に取ってくれちゃってコンチクショー笑!!
Posted by deco at 2006年07月22日 03:13
あなた様がこの映画のどこが悪かったと思ったのかは文章を読んでもピンとこなかったですが、少しパッケージとかキャッチコピーに惑わされすぎですね。
期待通りや予想通りに進んで行く作品ほど観ていてつまらないものは無いと、私は思います。
Posted by おっぺか at 2012年03月22日 21:00
コメントありがとうございます。
お好きなタイトルだったのでしょうか。
感想が上手く伝わらなくてお恥ずかしい限りですが……ええと、「悪い」とは思ってないんですよ。非常に個人的な観点からの感想なので、仰る通り「キャッチコピーとタイトルとあらすじから勝手に高まりまくった私の期待値にこの映画が達していなくてがっかりだった」という、客観性ゼロの内容を多少誇張して書いたわけですが。

冷静な感想を言えば、構成的に一度きりに絞るべきクライマックスとなるべきシーンが2度に別れてしまうので、そこでダレ感が出てしまっているなあ、という感じでしょうか。これは本文にも書きましたが、そのせいでイタリアの片田舎で起きた犯罪を少年の目というフィルターを通して見せたい映画なのか、少年ふたりの出会いとかすかな交流とを描きたい映画なのか、主題がぼやけてしまった感も否めません。
といっても、構成が整理されまくったエンタメ映画は余程面白くないと好きではないので、対比するならアンゲロプロスの『霧の中の風景』あたりが適当かと思いますが、核となる主題や基調は見失われることなく、各要素が分離せずに拡散していく感じが望ましい作品のような気がするんですよね。この作品。その辺が食い足りない感じがしました。

Posted by deco at 2012年06月12日 14:39
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