2006年09月19日

必殺仕業人

せっかく気に入って見てたのに明日最終回(時代劇チャンネルで)。

最初はえらく貧乏臭いシリーズだなあと思っていて、剣之介がお歌に、晩飯の残り物を「それ明日のために取っとけ」とか言ってさりげなく貧乏アピールをする心憎すぎる演出には脱力しまくっていたものだったのですが、とうとう最後を迎えるとなると複雑な心境にかられて我ながらびっくりです。

つか、見始めた当初は全員大嫌いだったのに、何となく(中村主水除いて)愛着が湧いていたのにはマジびっくりです。

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このシリーズ、キャラの見分けもついてなかった頃に一度最終回を見ていて、剣之介夫婦の惨めななます切り惨死シーンのみじめったらしさに脱力した余り毛嫌いしていたのですが、この夫婦が貧乏加減に開き直りを見せ始めた頃からこすいキャラ立ちを始めてけっこう面白いことに気付き、薄情キャラと聞いていたやいとや叉衛門さんが実は一番情に厚いというか面倒見がいい(そして腕っぷしが弱い)ことがわかってみると、けっこう愛すべき人たちだったのでした。

まあ中村主水はともかく。

どうやらこのチームの崩壊で暗い気持ちになった主水が裏稼業から足を洗おうとしていた時に、『必殺仕置人』のラヴリーヒーロー、念仏の鉄っつあんと再会してしまったことから『新必殺仕置人』はスタートするらしいのですが。

私は個人的には『必殺仕置人』が一番好きで、それは、裏稼業がアウトロー達素人集団の義憤による仕置だったという性質と、アウトロー集団ならではのからっとした明るさが好きだったんだと思います。主水はともかく、メンバー一人一人がとにかく愛おしかった。
中でも、どうやっても集団に染まれない男、アウトローの代表格ともいえる鉄が私はマジで好きでした。

『新必殺仕置人』では、その鉄が「寅の会」という裏稼業組織の下で働いているのですが、鉄がどんどん精神的に失調をきたし(あのしぶとい鉄が!)、明るさを失っていったのは、アウトローがアウトローたり得なくなってしまった時代、誰もが組織化され管理されていく時代、裏稼業がもはや義憤ではなく暗殺組織になってしまった時代を象徴しているようで、とにかく哀しいものがありました。

その結末での鉄の死は、山崎努としては「鉄というキャラクターにきっちり始末をつけてやりたい」という気持ちだったそうですが、鉄というキャラクターだけで見た場合、そうしたアウトローがどんなに組織化されても、生存すら許されない時代の始まりを描いたシリーズだったような気がして、「ああ、これって『ワイルドバンチ』や『ビリー・ザ・キッド21歳の生涯』だったんだなあ、と思ったりして、より哀しい気持ちになるのでした。

(ちなみにアウトローでさえない”漂泊の民”、剣之介夫婦は既に惨死を遂げた後なのですよね)

なので、『新必殺仕置人』がより完成度が高いという声をよく聞きますが、私はそれが余りに哀しいので、あえて『必殺仕置人』の方が上だと主張しておきます。
アウトローたちが身バレして、仲間の救出劇を最後に稼業に見切りをつけ、最後までからっとした雰囲気のまま、どこへともなく散っていく。
それでいいじゃないか、と思うのです。あの一作くらいおとぎ話だっていいじゃないか。


ちなみに中村主水が調子をこき始めるのは沖雅也配役のキャラがいなくなってからなのですが(笑)、『新必殺』を見る度、そもそもの『必殺仕置人』のあのいい雰囲気を作り上げていたキーパーソンは鉄ではなく棺桶の錠だったんだ、と思い知らされます笑。『新必殺仕置人』でも、もし鉄の傍に錠がいたら、鉄は精神を病んでいくこともなかったかもしれないし、主水がでかい面することもなかったのかもしれない。とか。


仕業人の話をしていたのに、結局仕置人の話になってしまった。

(ちなみに『仕置人』のOP丸パクリの『地獄少女』OPだけど、どうせだったらセカンドシリーズでは宇崎竜童連れて来て『仕業人』バージョンでやってほしいです。そこまでしたら認めないこともない笑)





posted by deco at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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