2012年06月01日

久々に絵のお仕事をしたよ!◆『絵から読み解く日本仏教ー日本仏教概論』図版

加藤みち子著『絵から読み解く日本仏教ー日本仏教概論』(山喜房佛書林、2012年4月8日刊行)に使用されている図版を作成させて頂きました!
 
……もう3ヶ月くらい前のことになりますが。
.
友人かつ先輩からの飛び込みの声かけ(とっても急ぎ)ということで、何が何だかな状態でとりあえず引き受けてみたものの…
1熊野観心十界曼荼羅(熊野家本).jpg

【熊野観心十界曼荼羅(熊野家本)】
こんなやつがいきなりどかっと開いてですね、

これのトレスって…(しかも6点)とか一瞬途方に暮れつつ作業をはじめてみたのですが、
やってみると案外はまりました。「曼荼羅」と言われてぱっと思いつく図柄とは違うんですが、なんていうか確かにこれ曼荼羅でした。これが描かれた時点にこの絵を手がけた仏画家(なんていうんだろう)にとっておそらく全時代全世界がこの絵には描き込まれてた。そのちまいやつをちまちまとトレスしていくのは、ちょっと大げさに言うと、この絵を描いた人物の心境を追体験するというか、それを追う行程に近かった気がします。この時代のこんな身分の人からまた別の時代のこんな身分の人までひとしく集っているし、いっぽう地獄絵パートは現実パートや涅槃パートとすぐ隣り合わせにあるし(ここすごい興味深かった)、いっぽうで罰を与えている鬼たちは鬼たちでなんか「なんかねーもうねー」「やってらんねっすよはー」なブルーカラーな悲哀が漂ってるユーモラスな姿だったりして。でも拷問内容は結構リアルに描かれていたり。

今回必要とされていたのは、仏を中心とした構図の解説用だったので、一体一体の人物のディテールは必要なかったので、いまのやつのトレスは▼こんな感じになったのですが、
kumano.jpg

わたし自身には「コミスタ力がUPしたぞ!」な感じだったわけですが。
いやでもしかし、これをひたすら書き込んでいった当時の仏画家はどれほどの思いを込めてこれを描いたんだろう、とかいろいろ考えさせられたりしたのでした。

先輩かつ友人でもある加藤みち子さんですが、とても意欲的な日本思想研究者です。
この本は大学での講義用にも使われるとのこと、どんな講義になるのか以前から気になってたまらないので、いつか潜入してみたいと思っているのですが(てゆかその前に、図版のキャプションに「decocool」とか入ってて何かの嫌がらせのようなうさん臭さなんですが、たとえば美術関係でトレス図版を使う場合、正式なマナーなんだそうです。笑)。
学問の場でしか通用しないような難解なテクニカルタームを駆使した議論ではなく、できるだけ一般人的に我が身に立ち返れるような等身大の言葉と話題展開で思想を解説紹介し、そこから何かをつかみ取って帰れるような形の議論を目指している人でもあります。
この本がAmazonで取り扱っていないことが何だか全然納得いかないのですが、見かけたらぜひぜひ手に取ってほしいです。

楽しい仕事をありがとうございました!(そして更新遅れまくってすみません;)
posted by deco at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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