2005年11月09日

『漫画で読む防衛白書』裏話というか

なんつうか正直ネーム中や作業中は「つ…辛い」とか思ったものですが(笑)、それは不精な私にとってどのお仕事でも毎度の事なので。作業全てが終わった今となっては、充実感しか残っていないので、その余韻が残ってるうちに何となくおぼえがき。

ちなみに昨晩はまだ微熱が(谷村新司)あったので更新も諦めて早めに寝たつもりが、起きたら2時間しか経っていなかった!しかもその時間帯はseesaaにつながりゃしなかった!仕方なくしばらく仕事とかしてました。チクショウ。.
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なんつうか、残ってる感触は充実感だけ、と書きましたが。
このお仕事とおつき合いしていた時間は割と長くて、その間集中的に忙しい時と待機時と交互にあったので、噂に聞いていた程大変には思えなかったり、作業は作業で(自分が手鈍いので)純粋にきつかったりと色々で、一言で済むような感想ってないんですよ。

ただ、『セキュリタリアン』の特集漫画でも思うことですが。
初めて知る知識をとにかく速攻で自分の中で消化して漫画という形式で吐き出すわけですが、なにぶん無知や自分なりに日々吸収している現在の世界情勢をベースになるべく素早く知識を詰め込んで速攻吐き出してるので、誤解も多いと思うんですよ。
でも防衛庁さんの担当の方々は皆さんとても優しくて、時に無知丸出しの失礼な質問もしたかと思うんですが、丁寧に説明して下さるので、「なんかやたらいろいろ勉強になったなー」という感触がいつも残ります。

防衛弘済会さんからお仕事を頂く度に、
「できるだけフラットな目で(自分含め平均的な日本人というか)そのテーマを考えて、単なる広報美談漫画ではなく(笑)、少しでも読者様が身近な問題として感じられるように構成すること」

「せっかく漫画という体裁を頂いている以上、読み物としても耐えられる最低限のフォーマットというか漫画の利点は持てるようにがんがること」
のふたつは最低限の自分内テーマとして努力目標に置いてるんですが、毎度ちゃんとそれができているか気になってます。

最初のは、第三者的立場から紹介・解説するという媒体じゃないだけに、いわゆるヨイショ記事になってしまたら、個人的には負け、つうか、引いては防衛庁さんや自衛隊そのものの印象を悪くするんじゃないかと思ったからです。硬いのも下らないのも色々含めていろんな目線があって(一個人がそれを全部集めるのは不可能なんですけど)、その目線からの問いかけに対して答えることができる、というスタイルの方が、新しい知識や概念を受け入れる時、個人的に抵抗がないという個人的な趣味なんですが。
結果的に、写植を打ってもらうのが申し訳ないようなアホな台詞なんかをついつい毎度キャラに言わせてしまうわけですが、私の中で驚きと感動があったのは、防衛庁さん側がそういったスタイルを却下するどころか、理解をもって許容して下さったことです。
防衛弘済会さんとおつき合いをするまで、正直官公庁さん関係のお仕事にはもっとスクエアなイメージがあったので、これは本当に嬉しい驚きでした。防衛庁さんって想像以上に柔軟に接して下さるんだなあと。

んで二つ目ですが、時折、官公庁広報誌配付物にイラストや漫画って目にしますよね。
でも、なんかそれが漫画の体裁を持ってる必然性を感じられないことが多い気がします(それはそれである種の天然の味があるんですが笑)。んで、結果的には文字パンフと何も変わらない物になってたりして、手にとって斜め読みする気にもならなかったり。
単なるパンフ漫画なら、それは楽な仕事です。単に文章を適当にコマ割りした中に絵と一緒に落とし込めば一丁あがりだし。何よりクライアントさんに対して一番無難だし。
でも、せっかく人様に親しみをもって広く読んでもらおうと「漫画」という体裁を取っているのに、それじゃ逆効果じゃないかと。
とにかく、某かの面白さやストーリーライン、出演キャラクターの動きがきちんと無いとあかん(つうか描いてて自分がつまらなくて耐えられない)、と思いました。んで、自分がつまんないと思って描いたら、それは読者様にも絶対伝わっちゃうというオカルティックな信念があるので、それだけはイクナイと。だから描く時は自分も最大限楽しんで描こうと。

今回も、防衛庁さん始め、関係者様たちの厚意を無にしないよう、白書の重点をきちんと伝えられるよう、一応必死で努力しました。
『漫画で読む防衛白書』が年一回発行されるようになってから今年で2年目で、防衛庁さんにとってもまだ新しい試みだそうですが、関係者様たちの手厚いサポートもあって、内容的には漫画として面白く読めるものになったのでは、と思ってます。

あとは…折角のオールカラーなので、絵本のような感じで目に留めて頂ける本にするべく、絵の方もそれは必死で努力しました。少なくとも…大変味のある絵で綴られた(←苦しい表現)一冊に仕上がってるかと思います。


私にとっても、いろいろ意義深い経験をさせて頂いた思い入れのある一冊ですが、何よりサポートして下さった皆様の汗と熱意の詰まった本です。
できましたら、実際に手に取って頂けると本当に嬉しく思います。

ちなみに定価350円だそうです。


手始めにどういう姿勢で描いたかを書きとめておこうと思ったのだけど(後で反省材料にしようと)、いつもらしからぬ硬いつうか胡散臭い文章になっちゃった☆
ちなみに出演キャラは『セキュリタリアン』で描かせて頂いた漫画でも共通の3人組(?←担当の方に3匹っていわれたよ笑)なのですが、ある日自分の名前でぐぐってたら「セキュリの漫画がまずキャラがシュールでびっくりした」という感想をハケンしたりして面白かったので、今度はキャラのことでも書こうと思います。
だって長い付き合いで、私の中ではごく自然に棲息しているキャラなんだもん。慣れって怖いっすね。
posted by deco at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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